株式投資における財務分析をMBA取得のFPが解説~損益計算書中編
MBA・FPオフィスALIVE代表國弘泰治です。
今回は損益計算書の中盤に移っていきます。
まずは以前の復習から移っていきます。
前編の復習
前回は損益計算書の科目や成長性の分析について説明をしました。
損益計算書の科目は売上高や営業利益そして経常利益などの科目がございました。
その中でも売上高で分かるものとして売上高の前年成長率について説明をしました。
前編についてはこちらから確認していただければと思います。
https://fp-office-alive.amebaownd.com/posts/41747439
そして今回は中編として成長性の着目で売上高の詳細について説明していきます。
売上高の詳細分析
前編の復習で売上高のことについて説明しましたが、今回は売上高を細かく分析する方法について説明していきます。
売上高の動きを見るポイントとしては「売上高成長率はどのくらいか?」「売上が継続して成長しているかというトレンド」の2つから分析するようになります。
そこで分析する内容としては「成長するその背景は何か?」と言われているところです。
今回のキーワードは「ビジネスモデルの中で財務分析を行う」といったものですが、そこで今回は「ビジネスモデルを踏まえながら売上高を分解する」ということなので売上高をもっと詳細に分析することも重要です。
それでは売上高の詳細分析の詳しい部分について説明していきます。
売上高の詳細分析の13つの分解方法
先ほどは前編のおさらいと詳細分析をする上での目的について説明をしましたが、売上高の詳細分析には13つの分解方法があることがわかりました。
そこで今回の事例はドラッグストアといった店舗ビジネスを行っている企業の解析方法について行っていきます。
内容としては①1店舗当たりの売上高に分解②売上面積による分解③①と②の組み合わせ④既存店と新規店舗による分解⑤客単価・客数による分解⑥客数を回転率で分解⑦従業員数による分解⑧単価と数量で分解⑨マーケットシェアによる分解⑩販売製品ごとの分解⑪事業ごとの分解⑫地域ごとの分解⑬子会社ごとの分解となっています。
次にそれぞれについて説明していきます。
①1店舗当たりの売上高に分解
こちらは、説明の通り1店舗当たりの売上高に分解sて行く方法で、1店舗あたりの売上高に店舗数を乗じたものです。
②売上面積による分解
1㎡あたり1坪当たりどちらかの考え方で、1坪当たりの売上高を総売場面積を乗じたものになります。
③①1と②組み合わせたもの
1店舗あたり売り場面積の変化も見ておいた方が良い場合もございます。1店舗あたりの売場面積がお店の品揃えを拡充し、集客力にプラスに聞くことがあるためです。
計算方法は1坪当たりの売上高に1店舗あたり売り場面積と店舗数を乗じた計算となります。
④既存店と新規店舗による分解
店舗ビジネスは「既存店が成長しているか」と「新規出店がどれだけできているか」の2つのポイントから売上高を見ることが可能です。
計算方法は既存店舗の売上高と新規に出店した店舗の売上高を足したものとなります。
⑤客単価・客数による分解
客単価に一日当たりの客数と稼働日数を乗じた計算となり、客単価は1人当たりの平均購入額、さらに「客単価を平均1品単価と来店客1人あたり平均購入数」を乗じた計算方法になる場合もございます。
⑥客数を回転率で分解
客単価と客席数、回転数そして稼働日数を乗じた方法となります
⑦従業員数による分解
従業員数と従業員1人あたり売上高を乗じる計算方法となります。
この方法は労働集約的な業種でよく使われる方法で、例を挙げると塾などの教育事業やビル清掃事業そして営業主体の小売業などが使われます。
⑧単価と数量で分解
単価は1単位あたりの価格のことで単価はこちらを使いますが、最低単位あたりの価格を用いることもございます。
計算方法は単価と数量を乗ずる方法となります。
⑨マーケットシェアによる分解
マーケットシェアというと横文字で分からないと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、市場占有率のことで市場全体の中に占める対象企業の大きさのことを言います。
この分解で「市場が大きく伸びていく環境であるのか」と「個別の企業の競争力」に分解し、分析する方法です。
⑩販売製品ごとの分解
全商品の売上高の合計で、5つの商品を売っている場合なら商品Aから商品Eの売上高をすべて足したものとなります。
⑪事業ごとの分解
⑩を事業ごとに換えたものです。
事業が5つであれば事業Aから事業Eの売上高をすべて足したものとなります。
⑫地域ごとの分解
こちらも⑩と⑪を地域ごとの売上高に換えたものです。
海外での売上高が多い場合、地域別売上高を開示している企業もございます。
⑬子会社ごとの分解
計算方法は⑩~⑫を子会社に置き換えたもので、M&Aを行ったばかりの企業を分析する場合はM&Aによって加わった子会社の情報については特に中止すべきと言えます。
ここまで説明をしましたが、このような分析はコスモス薬品やすぎホールディングスといったドラッグストア業界やイオンやゆめタウンを運営しているイズミといったスーパーマーケットや複合商業施設を運営している企業には最適と言えるでしょう。
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